超音波断層法・経腟カラードップラー法による子宮筋腫と子宮腺筋症の鑑別診断に関する研究

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  • Differential diagnosis of uterine myoma and adenomyosis using conventional ultrasound and transvaginal color doppler technique

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超音波断層法の進歩した今日でもなお, 子宮筋腫と子宮腺筋症の鑑別診断は困難とされている. 今回この鑑別診断の成績の向上を目的として本研究を試みた. 1987年から2年間に子宮が摘出され, 病理組織診断が明確な子宮筋腫81例, および子宮腺筋症35例の計116例について, 術前超音波診断の正診率を後方視的に検討した. 子宮筋腫の診断感度は良好であったが, 子宮腺筋症では低く, 感度34.1%・特異度98.8%・正確度78.4%であったことから, 子宮腺筋症の診断の困難性がますます明らかとなった. 光ディスクに保存された同症例の画像について, 両者の鑑別点として重要な結節像の読影について詳細に検討した結果, その特徴的所見を抽出できたが, 鑑別診断基準の設定は困難であった. そこで1990年9月から12月までに子宮が摘出され, 病理組織診断の確認された症例にっいて, 極めて新しい超音波診断技術である経腟法によるカラードプラ法を用い, 結節の栄養血管としての放射状動脈の血流速度波形を検出し, Resistence Index (RI) を算出した. 子宮筋腫28例のRIは平均0.54±0.11, 子宮腺筋症8例のRIは平均0.78±0.07であり, 0.1%の危険率で有意差が認められ, 両者の鑑別診断の一助になることが示唆された.

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