ヒト毛包組織の器官培養法

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  • Organ culture of human hair follicles

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ヒト毛包組織の器官培養法を確立するために培養条件の検討を行った. 37℃95%air-5%CO2という通常の培養条件を用いた場合, 毛球部におけるDNA合成量は培養7日目まで直線的に増加したが, 組織学的形態観察を行ったところ, 培養24時間後には毛母細胞の変性や毛球部全体の構造変化が出現することが明らかとなった. 一方, 31℃ 95%O2-5% CO2の条件を用いた場合, 毛球部全体の構造は培養96時間後までほぼ正常に保持され, 毛母細胞も培養48時間後まで正常な形態を保った. またオートラジオグラフにてDNA合成部位は, アウバーの臨界線以下の毛母細胞であることが確認され, このDNA合成量は培養96時間までほぼ直線的に増加することが明らかとなった. 以上, 組織学的形態観察の結果からも, またDNA合成の観察からも, 31℃ 95%O2-5% CO2はヒト毛包組織の器官培養に適した条件であることが示された. 今後この条件下, ヒト毛包組織の器官培養を検討することは, 毛成長メカニズム解明に有用な実験手段になりうると思われた.

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