書誌事項
- タイトル別名
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- Evaluation of the Descriptions of the Radiological Findings in Inpatient Charts at Juntendo University Hospital
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説明
診療録の量的, 質的レベルはその病院の診療行為の適確さを反映する. 今回, われわれは質的レベルを評価するために放射線医学的検査の指示に対応する所見記載 (レポート) がどの程度, 適確に行われているかを調査した. まず, 順天堂大学医学部附属順天堂医院の臨床各科から無作為に1,000冊の診療録をとりだし, 所見記載の状況を調べた. 1,000冊の診療録にみられた検査指示件数は7,096件であった. そのうち所見記載が診療録にみられたものは3,517件 (52.4%) であった. 記載媒体 (メディア) 別にみると, シェーマ (67%), 日本語 (16.9%), および外国語 (主として英語, 16.1%) であった. 外科系に比べて内科系の記載が良い傾向がみられた. 次いで, ほぼ同一臓器を取扱っている内科と外科の診療録をそれぞれ50冊, 無作為に抽出し, 所見記載の質的レベルを調査した. 検査の日付があったもの51% (内科), 39% (外科), 検査方法があったもの67% (内科), 57% (外科), 記載所見は内科の方が良い傾向がみられた. 追加指示があったもの20% (内科), 10% (外科), 所見記載の医師署名があったもの39% (内科), 7% (外科) であった. これらの結果は極めて不満足なものであると言わざるをえない. 診療録は患者のためのものであると同時に病院や医師を筆頭にした診療要員の財産でもある. 特に医師に対して診療, 教育, 研究で忙しい毎日ではあろうが, より良い診療録の作製に努力されるよう切に望むものである.
収録刊行物
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- 順天堂医学
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順天堂医学 30 (3), 348-353, 1984
順天堂医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205744865408
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- NII論文ID
- 130004716118
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- ISSN
- 21882134
- 00226769
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可