睡眠時無呼吸症候群

  • 高〓 和久
    順天堂大学医学部内科学教室呼吸器内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • 睡眠時無呼吸症候群--呼吸器系などへの影響
  • スイミンジ ムコキュウ ショウコウグン コキュウキケイ ナド エノ エイキョウ
  • 呼吸器系などへの影響

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抄録

睡眠時無呼吸症候群sleep apnea syndrome (SAS) は睡眠中に上気道の狭窄・閉塞, あるいは呼吸中枢の異常により生じる睡眠呼吸障害の一つである. 1時間に5回以上の無呼吸・低呼吸, あるいは一晩に30回以上の無呼吸・低呼吸がある場合を睡眠時無呼吸症候群と定義する. 本邦における潜在患者数は200万人以上といわれ, 診断されていない, いわゆる“under diagnosis”の患者がきわめて多い. 最近, SASはメタボリック症候群や脳血管障害の発症・進展と密に関連する全身病であることが報告され, SASの早期診断・早期治療が求められている. 一般的に睡眠中に呼吸中枢は抑制状態にあるため様々な呼吸器疾患でSASを合併することが知られる. 中でも慢性閉塞性肺疾患, 間質性肺炎, 肺結核後遺症, 気管支喘息, サルコイドーシスではSASの合併頻度が高いといわれる. 一方, 肺に基礎疾患がない患者でもSASがあると肺高血圧を併発することが多い. 呼吸器疾患を見た場合SASの存在も念頭にいれた精査を行いSASの合併が明らかになった場合には原疾患のみならずSASに対する治療も併せて行うことが予後, 患者QOLの向上のために重要である.

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参考文献 (11)*注記

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