“糖のながれ”制御から“血管不全”制御へ

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  • From glucose flux regulation to the control of atherosclerosis in type 2 diabetes mellitus.
  • トウ ノ ナガレ セイギョ カラ ケッカン フゼン セイギョ エ

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説明

健常人においても血糖値は食事や運動といった外乱に対応して, 絶えず変化している. 血糖値は全身でブドウ糖が処理された結果を示しているにすぎない. 血糖値は“糖のながれ”“インスリンのながれ”の結果である, と捉えてきた. 2型糖尿病の発症機序は一例一例で異なり, かつ各時点で病態は刻々と変動することから, 病態生理を的確に把握することが介入手段を決定する上で必須となろう. 糖尿病治療の目標は“血管不全”, その結果としての動脈硬化を防止することにある. 食後高血糖は動脈硬化の引き金であり, それは肝・糖取り込み率が低下した結果である, と捉え, その制御因子, ひいては血糖コントロール制御因子を体を一つのblackboxとして解明してきた. 2型糖尿病のnatural history, その背景を分子, 細胞レベルで捉えようと努力してきたが, 一応の成果があった, と満足している.おp発足以来, 代謝内分泌学講座で教育, 臨床, 研究をともに励んできた医局員一同に深謝したい.

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