クマリン誘導体を基質とした血清ロイシンアミノペプチダーゼの新しい微量蛍光測定法

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  • A Novel Fluorometric Ultramicro Determination of Serum Leucine Aminopeptidase Using A Coumarine Derivative
  • クマリン ユウドウタイ オ キシツ ト シタ ケッセイ ロイシンアミノ ペプチ

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抄録

金岡らはleucine aminopeptidase (LAP) の基質として新たに7-L-leucyl-4-methylcoumariny-lamide (LMC) を合成し, 精製ブタ腎LAPにより分解されることを報告した. これはLMCの水解によって生じた7-amino-4-methylcoumarin (AMC) の蛍光スペクトルが大きく赤方に移動し, 基質に比べて蛍光強度も著しく高いことを利用したものである. われわれは, LMCを用いたヒト血清LAPの新しい蛍光測定法を確立するために基礎的な検討を行なった. 活性測定は, 0.11mM LMCと5% (v/v) dimethylsulfoxideを含む50mM Tris-HCl緩衝液 (pH8.0) 2.0mlに10μlの血清を加え, 37℃で行なった. 酵素活性は, AMCに由来する440nmの蛍光の強度を経時的に5分間記録し, 活性を計算した. 水銀燈の365nmの輝線を用いて励起するわれわれの条件下では, 血清アルブミンによる基質の吸着や, ヘモグロビンの内部濾光効果などは無視することができた. また高度なビリルビン血症による内部濾光効果については, 対照をおくことによって簡単に補正することができた. この蛍光測定法を用いて得られた活性値は, 従来のGoldbarg法とよい相関を示した. われわれの測定法は, 極めて少量の血清で測定可能であり, また非常に簡単・迅速であるので, 連続多試料分析には最も適していると考えられた.

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