先天性胆道閉鎖症の病理組織学的研究

  • 渡辺 進
    順天堂大学医学部 (病理学第一教室)

書誌事項

タイトル別名
  • A Histopathological Study on Congenital Biliary Atresia
  • センテンセイ タンドウ ヘイサショウ ノ ビョウリ ソシキガクテキ ケンキュウ

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抄録

先天性胆道閉鎖症の成因追求には, 肝内組織像と肝外胆道系の検索がきわめて重要である. 著者は先天性胆道閉鎖症と乳児肝炎の肝組織像を比較検討し, さらに先天性胆道閉鎖症の肝外胆道系の閉塞部位とその組織像を連続切片法による再構築により明らかにした. その結果, 生検時の肝組織像から先天性胆道閉鎖症は胆管増生, 線維化, 門脈域の胆管内の胆汁栓が著明であり, 乳児肝炎は巨細胞がより著明であり, 胆管増生, 線維化は軽度であることが両疾患の鑑別点と考えられた. 先天性胆道閉鎖症の手術症例の肝外胆道系を3型に分類し, これら肝外胆道系の閉塞は炎症病変の強さにより生じた差と考えられた. 非手術剖検3症例と手術18例の肝外胆道系の再構築より, 全て総肝管に閉塞を認めた. 先天性胆道閉鎖症の主病変は総肝管にあり何らかの炎症性機転により閉塞したものと考えられた.

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