腎不全におけるcyclic nucleotidesの臨床的ならびに実験的研究

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  • Studies on Cyclic Nucleotides in Clinical and Experimental Renal Failure
  • ジンフゼン ニ オケル cyclic nucleotides ノ リンショウテ

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抄録

腎不全におけるcyclic nucleotidesの動態を明らかにするため, 血中および尿中のadenosine 3', 5'-monophosphate (cAMP) とguanosine 3', 5'-monophosphate (cGMP) を慢性腎不全患者, 酢酸ウラニル注射による実験的急性腎不全家兎で測定し, またこれらのnucleotidesと血漿グルカゴン, 一部で副甲状腺ホルモンとの関連性についても検討し次の知見を得た. (1) 臨床および実験的腎不全において, 血漿cyclic nucleotidesはともに増加し, 尿中排泄は減少する. (2) 血漿cyclic nucleotidesは血清クレアチニンと正の相関を示し, クレアチニンクリアランスとは負の相関を示す. また両nucleotidesの腎クリアランスは腎不全で低下する. (3) 腎不全で, 血漿グルカゴンは高値を示し, 血漿cAMPとの間に正の相関を示す. また透析患者で, 血漿PTHは血漿cAMP, cGMPのいずれとも相関しない. このことはグルカゴンが血漿cAMPの変動に影響を及ぼしている可能性が示唆される. (4) 透析患者で, 平均血圧と血漿cGMP間に正の相関が認められ, 高血圧のmechanismにcGMPが関与している可能性が示唆される.

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参考文献 (18)*注記

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