家畜の排糞による牧草播種 : 第1報 山羊糞による牧草種子の排出と発芽
書誌事項
- タイトル別名
-
- Dissemination of Pasture Plants by Livestocks : I. Recovery and viability of some pasture plant seeds passed through digestive tract of goats
- 家畜の排糞による牧草播種-1-山羊糞による牧草種子の排出と発芽
- カチク ノ ハイフン ニ ヨル ボクソウ ハシュ 1 ヤギ フン ニ ヨル ボクソウ シュシ ノ ハイシュツ ト ハツガ
この論文をさがす
抄録
ラジノクローバ,サブクローバ,オーチャードグラスおよびイタリアンライグラスの種子を山羊のルーメン内に挿入して,その消化と発芽を調べ,別に体温を擬した38℃にインキュベートしてその発芽力をも調べた。またこれら種子を実際に山羊に給与し,排出された種子の量と発芽力およびポットで糞面よりの出芽を調べた。1.ルーメン内においてはクローバ種子は硬実を除いて,24〜48時間でほとんど消化したのに対し,グラス種子では72時問でも外形上ほとんど変化がみられなかった。24時間以上ルーメン内に滞留した種子は形は正常のままであっても著しく発芽が低下したが,その低下の程度はクローバ種子でとくに甚だしかった。2.経口給与された種子は12時間後に糞中に出現し始め,24〜48時間で排出量は最高に達し,その後急減して72時間でほぼ排出を終った。総回収率はラジノクローパで28%,サブクローバで8%,イタリアンライグラスで7%,オーチャードグラスで0.6%であった。排出種子の発芽率はイタリアンライグラス36%,オーチャードグラス31%,サブクローバ15%,ラジノクローバ4%と,グラス子種がクローバ種子より高い傾向を示した。3.ポットによる糞面出芽率は排出量を基準にすると,オーチャードグラスで29%,サブクローバで18%,イタリアンライグラスで14%,ラジノクローバで8%であったが,これらはサンプル量が少ないので,確かな値とはいえない。4.給与種子が最終的に発芽可能状態で排出されるかを推算すると,ラジノクローバで17%,サブクローバで4%,イタリアンライグラスで3%,オーチャードグラスで0.2%となる。6.消化管内の滞留により,一般的には種子の発芽率が低下し,特異的には一時的上昇が起こるが,これは体温によるところが大きい。
収録刊行物
-
- 日本草地学会誌
-
日本草地学会誌 17 (1), 36-47, 1971
日本草地学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205751267456
-
- NII論文ID
- 10017578315
- 110006463491
-
- NII書誌ID
- AN00194108
-
- ISSN
- 21886555
- 04475933
-
- NDL書誌ID
- 8395334
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可