オーチャードグラス草地の乾物生産と生産過程 : 2.刈取り高さの影響

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タイトル別名
  • Dry Matter Production and its Process in Orchardgrass Sward : 2. Effects of cutting height on growth
  • 刈取り高さの影響
  • カ トリダカ サ ノ エイキョウ

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抄録

牧草の刈取り高さに関しては多くの研究があるが,結果はまちまちで一致した結論はえられていない。オーチャードグラスの刈取り高さを5cm(低刈り),15cm(高刈り)とし,春,夏,秋および早春の4回,刈取り後の生育過程を,地上・地下部につき7〜15日おきに調査し,収量,純生産量,収量率,器官別の重量,葉面積示数,葉面積の相対生長率,葉身重1g当りの葉面積,純同化率,収量生長速度,相対生長率などを比較した。1)年間の合計乾物収量は高刈りが低刈りに比べ20%減収した。合計純生産量は両区に大差がなかった。刈取り高さの収量に及ぼす影響を,純生産量と収量率の2つの要因に分解して考察し,季節によってそれと刈取り高さとの関係が変化すること認らた。夏は収量率,純生産量とも高刈りが優り,有利であった。これに反し,秋は純生産量,収量率ともに低刈りが優り,多くの収量をあげた。2)高刈りの有利な点は残葉が大きく,葉積が大きいこと,根量が多く,貯蔵物質も多いことである。これに対し,低刈りの有利な点は初期に生長率,純同化率が大きいこと。収量率の高いこと。C/F比の小さいことなどである。これらは草地管理のしかた,気象,土壌などで変ると考えられるので,今後更に研究が望まれる。

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