チモシー(Phleum pratense L.)品種の生育と乾物消化率に及ぼす低日射ストレスの影響

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タイトル別名
  • Effects of Low Solar Radiation Stress on Growth and in vitro Dry Matter Digestibility of Phleum pratense L. Cultivars
  • チモシー Phleum pratense L.ヒンシュ ノ セイイク ト カン

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説明

短期間の低日射量ストレスがチモシー品種の生育に及ぼす直接的影響及び後作用を検討した。熟期の異なる5品種の各栄養系を供試し,苗の移植10日後から20日間遮光処理を行なった後,全材料を無遮光条件下に戻して20日目まで調査を続けた。処理は無遮光,52%遮光,80%遮光の3処理とし,各調査時とも4株を調査した。植物体全乾物重は遮光が強いはど小さく,処理間差は処理終了後も次第に拡大したが,処理終了後20日目の処理間差は極早生のクンプウ及び早生のセンポク,ノサップに比べて中生のエレクタ,晩生のホクシュウの方が小さかった。また,クンプウ,センポクの相対生長率(RGR)及び純同化率(NAR)は処理の直接的影響を受けて遮光が強いはど低下したが,ホクシュウのRGR,NARには処理の直接的影響がほとんどなかった。またエレクタは処理期間中の遮光が強いほど処理終了後のRGR,NARは大きかった。葉面積比(LAR)は各品種とも全期間を通じて遮光が強いほど小さかった。このような乾物生長の変化からみて,中生,晩生の品種は極早生,早生の品種に比べて低日射量ストレス耐性が強いと判断された。処理終了時の茎葉の粗蛋白質含有率は遮光が強いほど有意に高かったほかは茎葉の粗蛋白質含有率及び乾物消化率に及ぼす処理の影響は小さかった。以上の結果から,栽培環境の低日射量条件に対するチモシーについての育種的対応が可能と推察された。

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