X線マイクロ分析法を用いて行うオーチャードグラスのマグネシウム含有率に対する選抜に適した器官

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  • Plant Organs Suitable for Screening Mineral Concentrations in Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) by X-ray Microanalysis.

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説明

X線マイクロ(EDX)分析は,分析に必要な試料が極微量で,分析速度が早くしかも一度の分析で多元素の分析が同時にできるため,牧草のミネラル含有率に対する個体選抜に極めて有効である。分析試料が極微量で済むことは,その試料が牧草個体全体のミネラル舎量特性を代表することが前提となる。本研究は,どの器官の試料が個体の特性をよく表し,しかも個体間差が明瞭に表れ,選抜対象として適しているかを2つの試験により調べた。試験1では,マグネシウム(Mg)含有率で高低両方向に選抜したオーチャードグラスの1番草について,どの部位のどの器官のミネラル舎量が植物体全体のそれと相関が高いかを調べた結果,穂と上部の葉身を除く全ての器官で高い相関が得られた。試験2では,Mg合量で選抜した高・中・低各5個体からなる3群を供試し,穂,程,葉鞘,葉身,地際部,根の各器官のうちどの器官のEDX分析値で個体群の差がもっとも明瞭に表れるかを1番草と3番草で調べた。その結果,1番草では葉鞘で,3番草では葉鞘,葉身,地際部で明瞭な差が認められた。1番草の葉身で明瞭な差が得られなかった原因を別に準備した試料のEDX分析値で調べたところ,葉身の部分により珪素密度に大きな差が見られ,この違いが相対値であるMg分析値に影響を与え,誤差の要因になったと考えられた。採取部位に注意を払うことにより,葉身もEDX分析を用いてMg含有率に対するスクリーニングを行う際の試料採取に適した器官になりうると考えられる。

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参考文献 (13)*注記

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