草類における分げつ茎の発生と発育 : 1.イタリアンライグラス(Lolium multiflorum L.)およびペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)

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タイトル別名
  • Appearance and Development of Tillers in Herbage Grass Species : 1. Italian ryegrass ( Lolium multiflorum Lam.) and perennial ryegrass (Lolium perenne L.)

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本研究は,草地における草類の持続性と分げつ習性との関係についての知見を得るため,イタリアンライグラス(IR)とペレニアルライグラス(PR)の2草種を用いて解析を試みたものである。研究の手法および結果ならびに考察についての概要は次のとおりである。(1)調査に当たっては分げつを単位とし,分けつを種子による増殖を担う節間伸長分げつ(ET)と栄養茎による繁殖のための,すなわち持続性を担う節間未伸長分げつ(NT)に大別して,その量的動態の季節変化について調査した。(2)PRのETは播種翌年に増加は認められなかったが,IRでは播種翌年の春に発生した分げつもETとなった。一方,PRのNTはETの出穗期以降急激に増加したが,IRのNTの増加はほとんど認められなかった。(3)出芽するが発育することなく枯死する,すなわち無効分げつは,IRではNT分げつに多く,逆にPRではET分げつに多い傾向が認められた。(4)分げつの器官別乾物車の推移では,IRではETにおける葉部の比率がPRに較べ高く,またPRのNTでは秋季に根の比率が増大するなどIRでは出穗茎,PRでは新分げつの確保と充実に有利な態勢が認められた。(5)IRの出穂期はPRに較べ早く始まり,かつ長期間持続した。また,PRのNTの発根はIRに較べ早いなど,分げつの生活史でも両草種の違いが明らかに認められた。

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参考文献 (19)*注記

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