内蒙古アルカリ化湿性ステップの植生と土壌 : 1.放牧地と採草地の比較

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タイトル別名
  • Vegetation and Soil of Alkalined Meadow Steppe in Wulanaodu Region, Inner Mongolia, Mainland China : 1. Comparison of Cutting and Grazing Pastures
  • ウチモウコ アルカリカ シッセイ ステップ ノ ショクセイ ト ドジョウ 1

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抄録

中国内蒙古自治区東部にあるWulanaoduにおいて,多年採草利用している草地と,そこを最近20年間放牧利用した草地の植生,微地形および土壌のアルカリ化程度を比較調査した。そのうち,本報では植生について報告する。土地の微小な起伏と対応して異なる植生型が分布した。それらは,Suaeda,Chloris,Puccinellia,Artemisia,Aneurolepidium,ArundinellaおよびAgropyronの各型である。裸地に隣接する低い立地にはSuaeda型,Chloris型が,最も高い立地にはArundinella型,Agropyron型が位置していた。この結果から,植生型の分布地のアルカリ度について考察した。放牧区には裸地,Suaeda型およびChloris型の頻度が高く占有面積も広かった。これらの型はアルカリ土壌に分布し,退化の指標となる種が高い被度を占めていた。放牧区には耐塩性が弱く,飼料生産性が高いとされるArundinella型は分布しなかった。また,放牧区ではAneurolepidium chinenseの生育が劣っていた。これらのことから,放牧区は採草区に比べ,植生が退化していると結論された。

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