内蒙古アルカリ化湿性ステップの植生と土壌 : 2.植生型の分布と微地形・土壌との関係

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タイトル別名
  • Vegetation and Soil of Alkalined Meadow Steppe in Wulanaodu Region, Inner Mongolia, Mainland China : 2. A Relationship Between the Vegetation Type and Microtopography and Soil
  • ウチモウコ アルカリカ シッセイ ステップ ノ ショクセイ ト ドジョウ 2

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抄録

草地退化の機構解明の目的で,前報に続き内蒙古自治区のWulanaoduの採草地,放牧地において,植生型の水平的,垂直的分布,土壌のpHおよびECを調査した。放牧地では,比高の低い位置に,Suaeda型が裸地の周辺に,高い位置を占めるAgropyron型の周辺にAneurolepidium型が,それぞれ狭い幅で同心円状に分布した。これら植生型の中間の位置にはChloris型が場を占めた。土壌のpHは裸地およびSuaeda型が10.4および10.2と高く,反対にAneurolepidium型およびArundinella型が9.2および8.5と低かった。Artemisia型およびPuccinellia型のpHは,これらの中間の値であった。低地土壌はアルカリ度が高く,裸地または耐塩性のSuaeda型や塩害を回避できるChloris型がしばしば分布し,退化草地の様相を呈した。反対に,高地土壌はアルカリ度が低く,耐塩性の弱いAneurolepidium型およびArundinella型などがよく繁茂し,非退化の様相を呈した。この結果から,アルカリ化は草地化の主要原因の一つであると結論され,その防止と植生の改良に関し,適正利用と排水について考察した。

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