暖地型イネ科牧草の物理・化学処理による栄養価値改善 : 3.アンモニア処理が化学成分及び乾物消化率に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Improvement of Nutritive Value of Tropical Grasses by Physical or Chemical Treatment : 3. Effect of ammonia treatment on chemical composition and dry matter digestibility
  • ダンチガタ イネカ ボクソウ ノ ブツリ カガク ショリ ニ ヨル エイヨウ

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抄録

成熟暖地型イネ科牧草ギニアグラス,グリーンパニック及びローズグラスを用い,アンモニア処理がin vitro乾物消化率に及ぼす影響について,リグニン及びケイ酸との関連で追究するとともに,粗蛋白質含量に及ぼす影響についても検討した。アンモニア処理については,試料乾物重の1.5%及び3.0%の無水アンモニアを添加し,20℃で4週間保蔵した。In vitro乾物消化率は山羊第一胃液とペプシンによる培養で測定した。得られた結果は次のとおりである。粗蛋白質含量は,いずれの処理でも増加し,1.5%処理より3.0%処理で若干高い値を示した。アセチルブロマイドリグニン(ABL)含量は,1.5%処理では大きな変動を示さないが,3.0%処理の場合若干低下する傾向が認められた。ケイ酸含量は処理試料で若干低い値となる傾向を示した。In vitro乾物消化率は,いずれの処理でも増加し,1.5%処理より3.0%処理で若干高い値を示した。また,ABL消化率もいずれの処理でも増加した。乾物消化率の増加とリグニン及びケイ酸の変動との関係について回帰分析により検討した結果,1.5%及び3.0%いずれの処理の場合も,乾物消化率増加とABL消化率増加との間にとくに高い関連が認められた。乾物回収率はいずれの処理でもほとんど変動せず,可消化乾物回収率は1.5%処理より3.0%処理で若干高い値を示した。以上の結果から,暖地型イネ科牧草の栄養価値改善に用いるアンモニア処理としては,1.5%処理より3.0%処理が望ましいと考えられた。

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