光合成速度における寒地型牧草と暖地型牧草との差異
書誌事項
- タイトル別名
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- On Difference between Tropical and Temperate Grasses in Photosynthetic Rate
- コウゴウセイ ソクド ニ オケル カンチガタ ボクソウ ト ダンチガタ ボクソ
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抄録
本研究は寒地型牧草と暖地型牧草の光合成速度の差異を明らかにするために行なったものである。個葉の光合成速度は人工光下で同化箱を用い,赤外線ガス分析計を使用して測定した。なお,実験には寒地型牧草14種,暖地型牧草27種を供試した。光合成測定時の光条件は寒地型牧草に対しては45Klx,暖地型牧草については65Klxとし,呼吸作用は暗黒下で測定した。一方,気温は同化箱内のジャケットに冷・温水をとおして,寒地型牧草は20±0.5℃,暖地型牧草は35±0.5℃にそれぞれ調節した。実験は寒地型牧草については1975年の5月,暖地型牧草は1976年6月下旬から7月の期間にそれぞれ行なった。えられた結果を要約すると以下のとおりである。光合成速度は暖地型牧草と寒地型牧草とでは著しく異なり,寒地型牧草は低く,暖地型牧草の多くは寒地型牧草の二倍以上の能力を示した。特にダリスグラス,マカリカリグラス,グリーンパニック,ベィジィグラス,ローズグラス,バヒアグラスおよびグレインソルガムは50mg CO_2・dm^<-2>・hr・<-1>以上の高い光合成速度を示した。しかし,暖地型牧草の中には30mg CO_2・dm^<-2>・hr^<-1>前後の比較的低い光合成速度にとどまるものがあった。すなわちセントオーガスチングラス,センチペードグラス,カーペットグラス,ウィーピングラブグラスおよびキクユグラスであり,寒地型のトールフェスク,ブロームグラスとほぼ等しい光合成速度であった。以上の結果はすべての暖地型牧草が高い光合成を行うものでないことを示唆している。光合成速度と比葉面積との相関を求めた結果,寒地型牧草は負の高い相関係数が求められ,有意性を示したが,暖地型のそれは低く,有意性がえられなかった。つぎに光合成能力とイネ科牧草の分類との関係については,キビ亜科,あるいはスズメガヤ亜科の暖地型牧草はウシノケグサ亜科の寒地型牧草より光合成能力がすぐれており,キビ亜科またはスズメガヤ亜科の牧草にあっても,スズメノヒエ属,キビ属およびヒゲシバ属の牧草は概して他の牧草に比較して高い光合成能力をもっている。したがって牧草の光合成能力の種間差は個々の牧草の分類学上の位置や,進化発達と深いかかわりあいをもつものと推論される。
収録刊行物
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- 日本草地学会誌
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日本草地学会誌 23 (2), 108-113, 1977
日本草地学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205753505664
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- NII論文ID
- 110006465106
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- NII書誌ID
- AN00194108
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- ISSN
- 21886555
- 04475933
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- NDL書誌ID
- 1836589
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可