シバの種子繁殖関連形質についての種内変異に関する研究 : (2)原産地を異にする保存栄養系統からの種子の発芽性

書誌事項

タイトル別名
  • Intraspecific Variations in Some Characters Related to Seed Propagation of the Japanese Lawn Grass, Zoysia Japonica STEUD : (2) Seed germinability of preserved clonal lines derived from different localities
  • シバの種子繁殖関連形質についての種内変異に関する研究-2-原産地を異にする保存栄養系統からの発芽性
  • シバ ノ シュシ ハンショク カンレン ケイシツ ニ ツイテ ノ シュナイ ヘ

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説明

発芽の容易な系統を選びだすための基礎として,第1報と同じシバ(Zoysia japonica STEUD.)の地方系統間の発芽特性を比較した。全国約30地域から集めた栄養系を斉一圃場で栽培して保存系統とし採種に供した。精選した稔実粒のみを,それぞれ第1実験(1978年原山採種)及び第2実験(1981年各務原採種)に供試し,いずれも無処理及び各種の発芽促進処理に対する系統別の発芽反応を調べた。供試粒数は1区100粒の2〜4反復とした。両実験を通じて,無処理種子の系統平均発芽率は低く,かつ系統間に幅広い変異がみられた。分散分析の結果,系統間の差は有意であった。与えられた処理と発芽条件との組合せに対する反応もまた,系統によって大きく異なっていた。それぞれの実験について,発芽率を相対値に変え,系統ごとに処理間で平均した値を相対発芽度(RGD)と仮称して,各系統の発芽性を概括的に評価する指標に用いた。このRGD値は,第1,第2両実験間にr=0.77の有意の相関を示した。このことから,保存系統の多くは系統特有の発芽性をもった種子を,異なる条件下においてもほぼ安定して生産しうることが示唆された。両実験間の平均RGDをおもな基準にして,供試系統を発芽の難易度に応じてA〜Dの4型に区分した。易発芽型であるD型には同時に稔実率の優れた系統が含まれており,種子繁殖に適した系統育成の見地からは,これらのD型及び一部のC型に属する保存栄養系統が有用な素材となりうると考えられた。

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被引用文献 (3)*注記

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