オーチャードグラスの出穂制御に関する研究 : VII.高温による春化効果の消去

書誌事項

タイトル別名
  • Control of Flowering of Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) : VII. Reversal of floral-induction by high temperature
  • オーチャードグラスの出穂制御に関する研究-7-高温による春化効果の消去
  • オーチャードグラス ノ シュッスイ セイギョ ニカンスルケンキュウ 7 コウオ

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説明

オーチャードグラスの出穂の機作を明らかにし,その制御方法を確立するため,本報では,来歴と早晩性の異なる栄養系から株分けした生育良好な分げつを供試して,春化効果に及ぼす高温の影響を検討した。まず,春の自然温度下で日長条件を変えて3および5週間生育させて春化処理を行った結果,「Aberystwyth S143」に由来する栄養系では,8および12時間日長下において処理開始後3週目までの比較的低温下で生じた春化効果が,4〜5週目での気温の上昇によって消去されることが分った。しかし,16時間日長で処理した場合には春化効果の消去はみられなかった。一方,「アオナミ」,「Latar」,「EV-700」および「Dactylis glomerata ssp. judaica」に由来する栄養系では,いずれの日長下においても春化効果の消去は全く認められず,春化効果の消去が起こる温度には栄養系間で差異のあることが示された。次に,「Aberystwyth S143」に由来する栄養系を秋の低温・短日下で1,2および3週間生育させて春化を促した後,さらに高温・短日(20℃・10時間日長)下で2週間生育させた結果,春化の初期の段階は高温・短日下でもやや促進されるが,春化の後期段階は高温・短日下で速やかに消去されることが明らかになった。

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