北海道におけるケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis L.)放牧草地の造成技術 : 2. 地上部および地下部の発達過程における草地管理法

  • 三枝 俊哉
    独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センター:(現)北海道立根釧農業試験場
  • 手島 茂樹
    独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センター:(現)独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構畜産草地研究所
  • 小川 恭男
    独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センター:(現)独立行政法人農業環境技術研究所
  • 高橋 俊
    独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Establishment of Kentucky Bluegrass (Poa pratensis L.) Pastures in Hokkaido : 2. Grassland Management for Increasing the Number of Tillers and Rhizome Length
  • ホッカイドウ ニ オケル ケンタッキーブルーグラス Poa pratensis L ホウボク ソウチ ノ ゾウセイ ギジュツ 2 チジョウブ オヨビ チカブ ノ ハッタツ カテイ ニ オケル ソウチ カンリホウ

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説明

北海道中央部の気象条件でグリホサート系除草剤の播種前雑草処理を用いて8月に造成したケンタッキーブルーグラス放牧草地において, 造成翌年の地上部および地下部の発達過程を調査し, その生産性の水準と適正な放牧管理法について検討した。ケンタッキーブルーグラスの直立茎数は造成年越冬前には約10,000本/m^2に達して越冬し, 翌春の萌芽期を迎えた。この高密度の直立茎数は, 5, 6月の出穂期以降一時的に減少するが, その後順次新分げつが生じて, 秋には前年秋の水準に回復するという季節変化を示した。これに対して, 地下茎の生長は地上部より遅れて始まった。地下茎は, 造成翌年になって初めて急激に発達し, 7月までに150m/m^2に達した。地下茎長が十分に発達した7月以降には, 体重500kg換算で3頭/ha程度の放牧圧を加えても, 草地の生産性に特に目立った障害は認められなかった。以上のように, 播種前雑草処理を行って造成したケンタッキーブルーグラス草地では, 造成翌春から地上部の乾物生産性は良好に発揮されるが, 地下茎が発達するまでの間, 放牧圧を低めにするか, 刈取りによって管理することが望ましいと判断した。

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (15)*注記

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