トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)放牧草地における植物窒素吸収量および土壌中窒素含有量の季節変化

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タイトル別名
  • Seasonal Changes in Nitrogen Uptake by Pasture Plants and Soil Nitrogen Content in a Grazed Tall Fescue (Festuca arundinacea Schreb.) Pasture
  • Seasonal Chnges in Nitrogen Uptake by Pasture Plants and Soil Nitrogen Content in a Grazed Tall Fescue (Festuca arundinancea Schreb.) Pasture

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抄録

トールフェスク放牧草地において, 2年間にわたって植物窒素吸収量及び土壌中窒素含有量の季節的推移について調査を行い, 植物体と土壌中窒素との相互作用について検討した。化学肥料を施用した直後の期間(5〜7月,8〜10月)にかけて植物体窒素現存量及び窒素吸収量が他の時期に比べて高く, 土壌中の可給態窒素含有量と無機態窒素含有量が増加していた。年間の植物体窒素吸収量は45.1gN/m^2/年と, 化学肥料として施肥された窒素量の3.1倍であり, 植物体により吸収される窒素の多くの部分が土壌窒素に由来すると推察された。化学肥料の施用は, 土壌中の無機態窒素を増加させることによって, 植物体の窒素吸収量を増加させるとともに, 土壌微生物バイオマスと植物体との無機態窒素の競合を軽減し, 土壌微生物バイオマスを活性化させる可能性が示唆された(プライミング効果)。土壌のC/N比が9.5-12.6の範囲にあったことから, 土壌微生物バイオマスの活性化は,窒素の無機化促進につながると考えられる。土壌を含めた放牧草地の窒素の流れにおいて, 植物と土壌微生物バイオマスとの相互作用が重要な働きをしていると考えられた。

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