長切,細切および破砕・圧搾したイタリアンライダラスから調製した乾草の山羊による消化性

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  • Ruminal and Whole Tract Digestion of Long Cut, Short Cut and Pressed Cake Hay Prepared from Italian Ryegrass by Goats
  • Ruminal and Whole Tract Digestion of Lo

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抄録

秋撒き冬刈りのイタリアンライグラスから長切,細切および破砕・圧搾した(プレスケーキ)乾草を調製した。これらの乾草を第一胃フィステルを装着した山羊に単一給与して,成分消化率,第一胃液性状および乾物の第一胃内分解率を測定した。乾草調製中に繊維含量が増加したが,増加の割合は細切乾草が最も大きくプレスケーキ乾草が最も小さかった。プレスケーキ乾草のタンパク質消化率は他に比べて有意に低かったが,その他の成分消化率はいずれの乾草とも差が認められなかった。長切乾草のNDFおよびヘミセルロース消化率は細切乾草よりも有意に低かった。プレスケーキ乾草を給与すると,細切乾草を給与した場合に比べ,第一胃液の総VFA濃度が低いにも関わらずpHは低い値を示した。第一胃内における乾物の分解特性を比較すると,細切乾草は長切乾草に比べ可溶性区分の割合が低かったが分解速度は有意に高い値を示した。破砕・圧搾処理によりプレスケーキ乾草では可溶性区分の割合が最も低くなったが,可消化成分の一部が除去されたにもかかわらず潜在的分解率は乾草間で差が見られなかった。以上の結果から,乾草調製時の細切は消化率に影響しなくても第一胃内における乾物の分解特性を変化させうること,およびプレスケーキ乾草は易消化成分の多くが除去されているにもかかわらず,消化率および第一胃内分解速度から判断すると長切乾草に匹敵することが明らかとなった。

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参考文献 (16)*注記

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