霧ケ峰草原におけるC_3とC_4植物の分布および標高に伴う植物と土壌の炭素安定同位体比の変化.

  • 莫 文紅
    岐阜大学流域環境科学研究センター(現)筑波大学生物科学系
  • 西村 格
    富山大学理学部
  • 曽我 有紀子
    岐阜大学流域環境科学研究センター(現)筑波大学生物科学系
  • 山田 恭子
    岐阜大学流域環境科学研究センター(現)筑波大学生物科学系
  • 米山 忠克
    東京大学大学院生命科学研究科応用生命化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Distribution of C_3 and C_4 Plants and Changes in Plant and Soil Carbon Isotope Ratios with Altitude in the Kirigamine Grassland, Japan

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説明

本研究はC_3とC_4イネ科草本の構成割合の標高に伴う分布と温度要因との対応関係を明らかにすることを目的とし,霧ケ峰草原(1,500〜1,920m)におけるC_3とC_4植物の標高分布パターンと温度・地形・土壌炭素および窒素含有量など環境要因との関係解析を行った。その結果,構成割合は標高が高くなるにつれてC_4優占からC_3優占へと変化することが明らかとなった。さらに,C_3とC_4植物の移行帯では,春から夏にかけてC_3優占からC_4優占に変化することから,温度上昇にともなって構成割合が変化することも明らかになった。そして標高に伴う構成割合の変化と環境要因との関係解析の結果,温度関連因子と有意な相関関係が得られたが,その他の環境要因については有意な相関が得られなかった。このことからC_3とC_4イネ科草本の構成割合の標高に伴う分布の違いは温度が第一の要因であると考えられる。また,標高に伴う現存植生の炭素安定同位体比(δ^<13>C)および土壌炭素安定同位体比の変化から霧ケ峰草原における過去のC_3とC_4植物の標高に伴う構成割合の変化は現在と異なり,C_4植物が現在よりも高標高まで分布していたことが示唆された。

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参考文献 (40)*注記

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