イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)とトールフェスク4倍体亜種(Festuca arundinacea var. glaucescens Boiss.)のF_1雑種における農業特性と細胞遺伝学的特性

書誌事項

タイトル別名
  • Agronomic and Cytological Characterization of F_1 Hybrids between Lolium multiflorum Lam. and Festuca arundinacea var. glaucescens Boiss.
  • Agronomic and Cytological Characterizat

この論文をさがす

抄録

Fesutuca-Lolium complexにおけるイタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)とトールフェスク4倍体亜種(Festuca arundinacea var. glaucescens Boiss.)のF_1雑種の有用性を明らかにするため, その農業特性と細胞遺伝学的特性調査を行った。胚培養法で作出したF_1雑種は形態的にはイタリアンライグラスに似ていた。農業特性(草丈, 出穂期, 再生草勢など)は両親の中間かイタリアンライグラスに近い値を示した。年間生草収量は4倍体イタリアンライグラス(品種, アキアオバ)や6倍体トールフェスク(品種, Lubrette, ホクリョウ)とほぼ同等であった。乾物分解率は6倍体トールフェスクと同等かやや優れていた。F_1雑種の花粉稔性は高く,種子生産量も多かった。これらの結果から, 本報で得られた4倍体属間雑種から新しい農業用フェストロリューム系統を作出する可能性が示された。細胞学的観察を行ったF_1雑種の中に異数体は含まれなかったが, 減数分裂期に多価染色体やI価染色体が確認された。また, Genomic in situ hybridization (GISH)法を用いることによりF_1雑種において両親に由来する染色体を識別することが可能であった。この染色体識別により後代での両親ゲノムの変異過程の詳細な解析が可能となった。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (23)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ