アルファルファにおける白絹病抵抗性品種の育成 : III.選抜世代の推移に伴う抵抗性の変動とその遺伝率

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding Alfalfa, Medicago sativa L., for Southern Blight Resistance : III. Increase of resistance and the heritability change, according with the advance of the selection generations
  • アルファルファにおける白絹病抵抗性品種の育成-3-選抜世代の推移に伴う抵抗性の変動とその遺伝率
  • アルファルファ ニ オケル シラキヌビョウ テイコウセイ ヒンシュ ノ イクセ

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説明

わが国暖地におけるアルファルファの主要病害である白絹病に対する抵抗性品種育成の第3段階として,選抜世代を進めた場合の抵抗性の変動と,その遺伝性について検討した。白絹病抵抗性の選抜は白絹病菌の接種ほ場において,母系選抜法と合成品種法を用いて実施した。その結果,選抜育成された系統の白絹病抵抗性は,主要母材品種ナツワカバに比べて極めて高かった。育成系統間では,4世代の母系選抜を経て合成品種法で育成したCRSY 572-1の抵抗性が最も高く,母系選択を5世代実施したCR 4871-5と,2世代の選抜を経て合成したCRSY 541-1がこれに次いだ。選抜世代数と抵抗性との関係についてみると,発病個体率の選抜効果は選抜世代の推移に伴い比較的緩やかに,ほぼ直線的に認められるのに対して,枯死個体率の選抜効果は初期世代の選抜において高く,後期世代では低くなった。白絹病抵抗性の選抜効果は選抜法に係わりなく,累積選抜率と密接に関連することが明らかになった。また,白絹病抵抗性の遺伝率は選抜法,選抜世代などにより大きく異なり,選抜初期では比較的高い(20.1〜58.4%)のに対して,選抜後期では極めて低かった(4.2〜12.0%)。これらの結果から,白絹病抵抗性の選抜は,初期の段階では抵抗性に関与する遣伝子が比較的容易に集積され,その選抜効果の高いことがその遺伝率からも推察される。しかし,遺伝子がある程度集積された後期世代の選抜において,その遺伝子頻度をより高めるためには,さらに精度の高い選抜を行う必要があると考えられた。

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