山口県西部におけるニホンジカ(Cervus nippon)の摂取植物種および反芻胃内消化様相の季節間差異

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal Differences in Food Habits and Rumen Digestion Status of Wild Sika Deer (Cervus nippon) in Western Yamaguchi
  • ヤマグチケン セイブ ニ オケル ニホンジカ Cervus nippon ノ セッシュ ショクブツシュ オヨビ ハンスウイ ナイ ショウカ ヨウソウ ノ キセツ カン サイ

この論文をさがす

抄録

2001年の春季(4-5月)および秋季(10-11月)に山口県西部の森林で捕獲された成ニホンジカの反芻胃内容物を試料に用い,摂取飼料種(41個体)および粒度分画法により反芻胃内での栄養素消化様相(24個体)を比較した。春季は,広葉草本および樹葉を,秋季は樹葉および堅果を主に採食していた。反芻胃内容物重量および平均粒子サイズは秋季が春季より高い値を示した(P<0.05)。反芻胃内の乾物および中性デタージェント繊維の可溶性分画への重量分布割合は春季が有意に高く(P<0.05),反芻胃内消化率が高かったことが示された。秋季において,堅果および枯葉摂取に由来するリグニンは反芻胃内で分解されたことが示唆された。また,秋季で堅果のタンニンによる粗タンパク質の反芻胃内分解の低下はみとめられなかった。本調査地における野生ニホンジカの反芻胃内消化および内容物通過様相には季節間差がみとめられ,春季における摂取植物の反芻胃内消化率は秋季より高かったことが示唆された。

収録刊行物

参考文献 (33)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ