草地土壌の孔隙構造に関する研究 : 3.X線造影法で測定したマサ土草地における粗孔隙の実態

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タイトル別名
  • Studies on the Macropore Structure of Soils Formed by Grass Roots : 3.The morphology of the macropores in the grassland of the weathered granitic soil determined by X-ray and contrast media
  • ソウチ ドジョウ ノ コウゲキ コウゾウ ニ カンスル ケンキュウ 3 Xセン

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抄録

マサ土草地の根群域における粗孔隙形態をX線造影法を用いて調査した。土壌は愛媛大学付属農場(愛媛県北条市)の造成後10年目のイネ科主体の放牧地より,深さ45cmまで4層に分けて採取した。土壌は各層とも砂壌土であり,とくに表層がち密であった。表層部分(0-10cm)は粗大間隙と有効間隙が少なく透水性も低かったが,次・下層部分(10-45cm)は粗大間隙が多く透水性も高かった。X線による粗孔隙形態観察では,各層において牧草根に由来した管状孔隙(根成孔隙)が認められた。排水領域(pF≦1.5)の孔隙形態は,表層部分(0-10cm)では牧草根の不定根や側根に基づく根成孔隙であり,次・下層部分(10-45cm)においても牧草根と前植生の根遺体による根成孔隙が主体であった。保水領域(pF1.8, 2.0)の孔隙形態は,表層部分では根成孔隙を主体とし,下層部分では根成孔隙と土粒子・団粒間間隙に由来していた。これらの孔隙径は排水領域が0.3-1.0mm,保水領域が0.1-0.3mmの範囲にあり,保水と排水領域の境界が0.3-0.4mm付近にあった。以上の結果から,マサ土草地の根群域における粗孔隙は,黒ボク土や内蒙古ステップ土壌と同じく,大部分が牧草根に由来した根成孔隙の形態であることが明らかになった。

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