水成岩由来丘陵台地の草原草地 : 2.日本のカルスト台地と欧州の石灰・苦灰質草原の土壌比較

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タイトル別名
  • Formation of Clay Soil Grassland on Aqueous Hills : 2. Comparison of grassland soils in Karst plateaus in Japan and Ca-Mg carbonate rock districts in Europe
  • スイセイガン ユライ キュウリョウ ダイチ ノ ソウゲン ソウチ 2 ニホン ノ カルスト ダイチ ト オウシュウ ノ セッカイ クカイシツ ソウゲン ノ ドジョウ ヒカク

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抄録

地球の極相植生景観は大まかには降水量の多寡に従って森林・草原・砂漠に分かたれる。しかしアフリカの赤道に沿うコンゴ熱帯多雨樹林帯はビクトリア湖の大地溝帯を越えると玄武岩台地ケニアの大サバンナ草原に変わる。大ブリテン島最高峰のベン・ネビス山頂(標高1,344m)は古生代火山岩で年間雨量4,000mmなのに自然草原である。日本は多雨で山野は樹林で覆われるが阿蘇は3,000mmで草原であり、また水成岩として秋吉台、平尾台、四国カルスト台地やスイスのセンティス山などの石灰岩台地も多雨だが安定した草原景観が成立していることで、地球の植生景観が地質的立地条件にも影響を受けることを示している。日本のカルスト草原を地球上最も石灰岩分布の広い欧州の石灰岩草原と比較することは、草原土壌の本源と成立機構を究める見地からも意義があり、加えて以前から土壌学会の宿題のように言われていた事項として、欧州の石灰岩山陵台地の表土がアルカリ性であるのに対し、日本のカルスト台地の表土が酸性であること、そして欧州の石灰岩域に比べ草原維持のため野焼きが必須と強調される理由について検討した。

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参考文献 (16)*注記

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