独立分散最適化によるネットワークにおける性能劣化パラドックスとその大きさ

書誌事項

タイトル別名
  • BOUNDS ON THE DEGREE OF PARADOXICAL PERFORMANCE DEGRADATION IN NONCOOPERATIVE NETWORKS
  • ドクリツ ブンサン サイテキカ ニ ヨル ネットワーク ニ オケル セイノウ レッカ パラドックス ト ソノ オオキサ

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説明

InternetやGRIDなど, 多数の独立した個人や企業体が共用するネットワークや分散システムが社会の根幹をなしてきている.各個人や組織体は独立しているので, (経路選択や負荷割り当て等に関する)分散した意志決定により, 独自の工夫で使用効率やコスト削減を追求すると, いわゆる神の見えざる手によるがごとく, 全体として良い方向へ導かれるとの期待が持たれる.また, 全体的な意志決定による上意下達的な割り当てによるよりも, 互いの切磋琢磨により, 諸側面のより多くの進歩が期待される.しかし, 独立意志決定分散には, ゲームの理論における囚人のディレンマのように, 全ての個体が努力した結果かえって全ての個体に対してコストや応答性能の劣化がおこるという可能性が危惧される.特に, ネットワークにおけるBraessのパラドックスのように, ネットワークや分散システムに新たに設備を増設したり, 結合度を増したりして, 各個体の意志決定の自由度が増すと, かえって, 全ての個体に対する効用が低下してしまう場合がいくつか報告されている.本稿は, 独立分散意志決定をするネットワークや分散システムにおいて, そのような劣化が起こる場合, その大きさが, どの程度になりうるかについて, これまでのいくつかの研究成果を概観する.

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参考文献 (78)*注記

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