早期に栄養療法介入を行った頸部壊死性筋膜炎の1例

  • 村山 敦
    岸和田徳洲会病院 NST 岸和田徳洲会病院 歯科口腔外科
  • 冨田 雅史
    岸和田徳洲会病院 NST 岸和田徳洲会病院 外科

書誌事項

タイトル別名
  • Early nutritional intervention to the cervical necrotizing fasciitis - A case report
  • 症例報告 早期に栄養療法介入を行った頸部壊死性筋膜炎の1例
  • ショウレイ ホウコク ソウキ ニ エイヨウ リョウホウ カイニュウ オ オコナッタ ケイブ エシセイキンマクエン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>歯痛による食事摂取不良から低栄養状態に陥り、ガス壊疽を伴った頸部壊死性筋膜炎を認めた61歳女性に対して、消炎処置と併行して早期栄養療法介入を行い良好な経過が得られた1例を経験した。全身麻酔下に膿瘍に対する切開ドレナージを施行、術翌日から経鼻経腸栄養を開始し、亜鉛等の微量元素を含む補助食品も加えて術後6日目には1600kcal/day以上のエネルギー提供量とした。術後10日で経口摂取移行し、術後3週間で頸部皮膚欠損部に対する植皮術を施行した。植皮後は創傷治癒に有利に働くとされるβ-hydroxyl-β-methyl butyrate (以下、HMBと略) ・L-アルギニン・L-グルタミン配合飲料を追加した。その結果、治療開始後から Alb・TTR・血中亜鉛濃度は徐々に上昇し、植皮も良好に生着、治療開始から約6週間で退院となった。早期に経腸栄養が開始することの重要性、ならびに病態や治療段階に応じた栄養療法介入が有用であったことが改めて示された症例であった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ