養液栽培で栽培されるベビーリーフ野菜研究のための実験室レベルでの試験施設について

  • Nicola Silvana
    Department of Agricultural, Forest and Food Sciences, University of Turin
  • Pignata Giuseppe
    Department of Agricultural, Forest and Food Sciences, University of Turin
  • Casale Manuela
    Department of Agricultural, Forest and Food Sciences, University of Turin
  • Lo Turco Paolo E.
    Department of Agricultural, Forest and Food Sciences, University of Turin
  • Gaino Walter
    Department of Agricultural, Forest and Food Sciences, University of Turin

書誌事項

タイトル別名
  • Overview of a Lab-scale Pilot Plant for Studying Baby Leaf Vegetables Grown in Soilless Culture

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説明

植物の成長に影響を及ぼす環境要因を調査するためには,実栽培レベルにも後々適応できるように研究室レベルでも実験系を構築する必要がある.学術論文誌の出版社や編集者の要求でページ数を少なくするように対応させられることによって,論文の中に他の著者が反復実験できるような詳細な内容が記載されることはほとんどない.そのため,ベビーリーフ野菜の質的ならびに量的解析を実施するために養液栽培(Floating growing system; FGS)を利用したシステムと方法論の開発を行った.大陸性気候の様々な気象条件に対応できるように,構造や設備が異なる 2 つの温室中で,実験室レベルでのパイロットプラント(Lab-scale pilot plants; LSPP)を開発した.開発した設備と手法によって,適切な実験計画法とデータ解析のための複数の処理と反復を設定できるようになった.FGS をベースとしたベビーリーフ野菜の一般的な養液栽培システム中での最適な栽培技術を確立するために,メジャーおよびマイナーな野菜種(シロガラシ white mustard, Brassica alba L. Boiss; クロガラシ black mustard, Brassica nigra L. Koch; ガーデンクレス garden cress, Lepidium sativum L.; クレソン water cress, Nasturtium officinale R. Br.; ルッコラ rocket salad, Eruca sativa Mill.; セルバチコ perennial wild rocket, Diplotaxis tenuifolia L. DC.; コーンサラダ corn salad, Valerianella olitoria L.; ホウレンソウ baby spinach, Spinacia oleracea L.)の環境条件と栽培技術について調査した.養液栽培システムは収穫時の植物の品質を改善することができ,また多くの野菜やハーブのポストハーベストの棚持ち期間を延長させることを考慮すると,標準化された栽培システムは,販売段階における低硝酸態窒素含量や長期の棚持ちといった観点から,生野菜のプレミアム品質を得るために必要である.養液栽培を実施している期間,FGS は葉物野菜を栽培するのに適したシステムであった.なぜなら,植物を密植栽培することが可能であるため,短期間に高収量を得ることができるためである.FGS では頭上灌水および培養液と植物の可食部位が接触するのを避けるために底面灌水を利用している.結果として,従前の栽培技術に比べて,汚染や作物・基質の残渣を減少させることになり,また潜在的に微生物の付着がより少なくなった清潔な生野菜を得ることができて,高品質・高収量となる.FGS は生鮮およびカットのベビーリーフ野菜の収量,品質および生産性を向上させることが可能である新しい技術である.LSPP の導入は,他の作物や農業的生産要因に対しての研究を拡大する基礎を提供する.

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (30)*注記

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