極少量培地耕における低窒素濃度培養液のカリウム補正と濃度変更がトマトの生育，収量と着色不良果の発生に及ぼす影響

DOI Web Site Web Site 参考文献6件
  • Zhang Yiting
    岐阜大学大学院連合農学研究科
  • 切岩 祥和
    岐阜大学大学院連合農学研究科 静岡大学大学院農学研究科
  • 糠谷 明
    岐阜大学大学院連合農学研究科 静岡大学大学院農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Lower Nitrogen Concentration of Nutrient Solution Combined with K Supplementation and Changing the Concentration on Growth, Yield, and Yellow-shoulder Disorder for Tomatoes Grown in Extremely Low-volume Substrate
  • Effects of Lower Nitrogen Concentration of Nutrient Solution Combined with K Supplementation and Changing the Concentration on Growth, Yield, and Yellow-shoulder Disorder for Tomatoes Growth in Extremely Low-volume Substrate

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抄録

EC 0.9 dS·m−1 の園試処方培養液より低窒素（N）濃度の培養液への KNO3 の添加と果実肥大・成熟期の培養液濃度の増加が極少量培地耕において低段密植栽培したトマトの生育，収量，着色不良果に及ぼす影響について調査した．処理は，EC 0.6 dS·m−1，EC 0.9 dS·m−1 の園試処方培養液区（それぞれ EC 0.6，EC 0.9 と略記），EC 0.6 dS·m−1 の園試処方培養液に 1 me·L−1 の KNO3 を加えた EC 0.6+KNO3 区，果実肥大・成熟期に EC 0.6 dS·m−1 から EC 0.9 dS·m−1 に増加させた EC 0.6/0.9 区，EC 0.9 dS·m−1 の園試処方培養液の P 濃度を 4.6 me·L−1，K 濃度を5.8 me·L−1 とした EC 0.9+P+K 区の 5 区を設けた．2012 年 2 月 10 日にトマト‘CF 桃太郎ヨーク’を，ロックウール粒状綿を充填した 250 mL 容の連結ポットトレイに定植し，5 月 29 日まで極少量培地耕による低段密植栽培を日射比例制御に基づいた少量多頻度給液により行った．その結果，EC 0.6+KNO3 区の総収量と着色不良果指数は，EC 0.9 区とほぼ同程度となったが，EC 0.9+P+K 区よりは有意に低かった．K 濃度を 2 me·L−1 から 3 me·L−1 に増加した EC 0.6+KNO3 の着色不良果指数は減少した．以上の結果，極少量培地耕では低窒素濃度（5.3 me·L−1 N）培養液でも，P と K の組成を検討することにより収量を増加させる可能性を示唆した．EC 0.6/0.9 区の地上部新鮮重は EC 0.9 区より低かったが，EC 0.6/0.9 区と EC 0.9 区の総収量に有意な差はみられなかった．総収量は栽培期間中の硝酸態窒素吸収量が増加するにつれて増加し（R2 = 0.98, P < 0.01），着色不良果発生率は，栽培期間中 K の吸収量が増加するにつれて減少した（R2 = 0.92, P < 0.05）．

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