セントポーリア園芸品種の花色とアントシアニン

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  • Flower Colors and Their Anthocyanins in <i>Saintpaulia</i> Cultivars (Gesneriaceae)
  • Flower Colors and Their Anthocyanins in Saintpaulia Cultivars (Gesneriaceae)

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抄録

セントポーリア 16 品種の花色とアントシアニンを調査し,花色とアントシアニン構成成分の関係を判定した.6 種類の主要アントシアニンとともに 3 種類の微量アントシアニンが確認でき,co-HPLC,化学,およびスペクトル分析により同定した.これらのうち,‘ジョージア’と‘ジェシカ’の花から得られたペラルゴニジン 3-O-[6-O-(4-O-(アセチル)-α-ラムノピラノシル)-β-グルコピラノシド](ペラルゴニジン 3-アセチル-ルチノシド;色素 8)が新規アントシアニンであった.セントポーリアの花色(特に色調:b*/a*)にはアントシアニジンに結合する糖の位置および構成アントシアニンの種類が影響していた.これらは花色とアントシアニン構成によって以下の 6 つのグループに分けられた.紫青色の花色のグループ A(b*/a* = −2.61~−1.72,VB N89B~VB 94B)と紫色の花色のグループ B(b*/a* = −1.06 と −0.81,PV N82A と PV N80B)にはマルビジン 3-アセチル-ルチノシド-5-グルコシドが最も主要なアントシアニンとして含まれていた.紫色の花色のグループ C(b*/a* = −0.69 と −0.53,PV N80B と PV N81A)にはペオニジン 3-アセチル-ルチノシド-5-グルコシドが最も主要なアントシアニンとして含まれていた.赤紫色の花色のグループ D(b*/a* = −0.44~−0.27,RP 73A~RP N74B)にはペラルゴニジン 3-アセチル-ルチノシド-5-ルコシドが,グループ E(b*/a* = −0.03 と −0.02,RP 60D と RP 71D)にはペラルゴニジン 3-アセチル-ルチノシドが,そして,グループ F(b*/a* = 0.04 と 0.13,RP 61A と RP 71A)にはペオニジン 3-アセチル-ルチノシドがそれぞれ最も主要なアントシアニンとして含まれていた.これらの結果から,アントシアニジン 3-アセチル-ルチノシドの 5-OH のグルコシル化およびアントシアニジンの B 環のメチル化の増加が,セントポーリア栽培品種における花色変化への最も重要な効果と考えられた.

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