男性介護者の語りにみる「男性ゆえの困難」

  • 松井 由香
    お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Difficulties Peculiar to Japanese Male Caregivers:
  • 男性介護者の語りにみる「男性ゆえの困難」 : セルフヘルプ・グループに集う夫・息子介護者の事例から
  • ダンセイカイゴシャ ノ カタリ ニ ミル 「 ダンセイユエ ノ コンナン 」 : セルフヘルプ ・ グループ ニ ツドウオット ・ ムスコカイゴシャ ノ ジレイ カラ
  • ―セルフヘルプ・グループに集う夫・息子介護者の事例から―
  • An Example of Husband and Son Caregivers in a Self-Help Group

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抄録

    本稿は、従来の家族介護研究において不可視化される、あるいは問題化される傾向にあった男性介護者に注目し、彼らが語る「男性ゆえの困難」について考察することを目的とする。具体的には、彼らが日々直面している介護をめぐる困難について、自らを「男性」あるいは「夫/息子」であることに関連づけて言及したトピックスを抽出し、彼らにとっての「男性ゆえの困難」の内実と意味づけを分析することをとおして、家族介護をめぐるジェンダー規範のありようについて考察した。調査対象者は、「仕事と介護の両立困難」「家事役割遂行の困難」「身体接触をともなう介護の困難」「介護の『仕事化』とそれにともなう困難」を「男性ゆえの困難」として語った。それらの困難は、彼らが介護や家事を女性が担うべきジェンダー化された役割として捉えていることを逆説的に示した。

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