転換期を迎えた中国・華南地域におけるものづくり : 労務費追求の限界と拡大する中国市場への対応

  • 岸 保行
    東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター
  • 内村 幸司
    マーサージャパン株式会社

書誌事項

タイトル別名
  • "Monozukuri" in South China in Transition : Limitations to labor cost reductions and strategies for the developing Chinese market
  • テンカンキ オ ムカエタ チュウゴク カナン チイキ ニ オケル モノズクリ ロウムヒ ツイキュウ ノ ゲンカイ ト カクダイ スル チュウゴク シジョウ エ ノ タイオウ

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抄録

本研究の目的は、転換期を迎えた中国の「ものづくり」現場において、日系企業がどのような対応をとっているのかを検討することにある。日本のものづくり企業は、これまで中国において労働集約型の生産体制を展開してきた。しかし、労務費の上昇や高付加価値型ものづくりを展開する必要性の高まりによって、今まさに転換期を迎えている。そこで、中国・華南地域に進出した企業経営者8名への聞き取り調査を通じて、転換期を迎えた中国において、日系企業がどのような対応をとっているか、その実態を明らかにする。聞き取り調査の結果から環境変化への対応として、次の4つが明らかになった。(1)多能工・熟練工の確保と育成、(2)高付加価値創出のための機械化促進、(3)労務費削減のための機械化、(4)半機械化・オペレーションの改善である。そして、これら変化への対応を整理する軸として、二つの軸が浮かび上がってきた。一つめは、高付加価値を重視するのか、労務費の抑制をおこなっていこうとするのかである。二つめは、変化対応に要する一時的な投資額の大小である。この二つの軸によって、今回聞き取り調査で明らかになった4つの対応の属性が鮮明になったのである。

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参考文献 (27)*注記

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