書誌事項
- タイトル別名
-
- In Search of Key Success Factors for BoP Business : Fifteen Business Models and Three Theoretical Implications
- BOP ビジネス ノ セイコウ ヨウイン ノ タンキュウ : 15 ノ ビジネスモデル ト 3ツ ノ リロンテキ シサ
この論文をさがす
抄録
日本企業によるBoPビジネスの成功事例は、数少ない。そこで本研究では、なぜ日本企業には成功事例が少ないのかという問題意識の下に、すでに成功している世界の111事例の分析から、BoPビジネスの成功モデルを抽出した。さらに成功モデルの分析から、3つの理論的示唆を得ることが出来た。これら成功モデルと理論的示唆を、日本企業が事業計画策定の際に取り込むことによって、事業計画の熟度が高まり、成功の可能性が高くなる。本研究の目的は、このように実践的な知見と理論的示唆の提供を通して、日本企業の成功に資することである。具体的な手法としては、ピクト図解を用いて、事業の主要なステークホルダー間での製品・サービスとお金の流れを、7つの記号のみを使って図として表現した。これによって、各事業のビジネスモデルを共通のルールに従って図示化でき、ビジネスモデルの分類・共通要因の抽出が容易になる。こうして成功事例の分析を行なったところ、15のビジネスモデルを抽出し、それらを3分類することができた。これまで多くの日本企業は、製品の性能や品質を重視する傾向が強い一方で、ビジネスモデルの構築にはそれほど注力してこなかった。しかし、BoPビジネスの成功には、すぐれた製品・サービスに加えて、斬新なビジネスモデルが不可欠となる。日本企業が海外市場でこれまで蓄積してきた成功モデルは、BoP市場では通用しない。そこには非連続性が存在し、市場の特性がまったく異なるからだ。そのために日本企業は、これまでのところ苦戦を強いられている。しかし世界に目を転じると、すでに数多くの成功事例が存在する。成功から学ばない手はない。それらの分析から抽出された15のモデルと3つの理論的示唆は、いわば成功のための定石だ。この定石をおさえることで、成功の可能性は格段と高まる。定石を知らずにBoPビジネスを実践しても、無謀な挑戦に終ってしまうだろう。日本企業がおこなっているBoPビジネスは、現在のところ、15モデルの中の数パターンでしかない。挑戦する余地は大きく残されている。
収録刊行物
-
- 国際ビジネス研究
-
国際ビジネス研究 6 (2), 105-122, 2014
国際ビジネス研究学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205764758272
-
- NII論文ID
- 110010000672
-
- NII書誌ID
- AA12402856
-
- ISSN
- 21895694
- 18835074
-
- NDL書誌ID
- 026013219
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可