外来語使用に係るスタイルの制約―「サポート」と既存語との使い分けにみる話者内バリエーション―

書誌事項

タイトル別名
  • Stylistic Constraints on the Use of Loanwords in Japanese: The Alternation between <i>sapooto</i> and Its Native Equivalents as Intra-Speaker Variation
  • ガイライゴ シヨウ ニ カカル スタイル ノ セイヤク : 「 サポート 」 ト キソンゴ ト ノ ツカイワケ ニ ミル ワシャ ナイ バリエーション

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抄録

<p>本稿では,意識調査のデータを利用し,同じ意味を表す既存語に対して外来語「サポート」が生起するメカニズムを,主にスタイルの観点から明らかにした.第一に,多変量解析の結果,外来語の生起は生年,学歴,スタイルという3つの説明変数から予測できることを示した.これにより,既存語から外来語への語彙交替はスタイル差を伴って進行していることが示唆された.ただし,スタイルは学歴と交互作用をなして複雑な形で外来語の生起に影響を与えていることがわかった.第二に,話者内における語彙の使い分けの実態とその理由を詳しく分析した結果,外来語の生起にスタイル差が生じるメカニズムは,「発話意識モデル」,「聴衆デザインモデル」,「話者デザインモデル」等の複数のモデルから多面的かつ複合的に解釈できることを示した.以上から,語彙交替の細かなプロセスを解明する上で,バリエーション分析にスタイルを組み入れることが有益であるとの結論を得た.</p>

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