『ニュージーランドの上院』

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タイトル別名
  • The Upper Chamber in New Zealand

抄録

世界の主要先進国はほぼどの国も二院制だが、ニュージーランドは一 院制である。ニュー ジーランド議会は二院制で始まったのに、シドニー ・ ホランド国民党政府が1951 年に上院 を廃止した。 上院は首相によって選ばれていたため、ご都合主義がはびこり、政権の座に ある政党に功績があって、政府法案に波風を立てそうにない政治家を選ぶ傾向が強まって いた。 最初に想定されていた、下院から上がってきた法案に長く培った専門を駆使して、 建設的な修正を加える機能をとても果たさなくなっていた。 政党政治が根付いていなかっ た頃には、 上院議員が本来の役割を果たせる可能性も高かったはずであるが、 締め付けの きつい政党が政治の中心に居座わるようになると、上院議員も、下院議員と同様に、政党 で決めたことに背くのは命取りである。 一度任命されたら終身安泰だった頃はともかくと して、7 年経てばポストを離れるようになってからは、再び同じ政党の首相に任命しても らうためには、自分の所属政党に逆らう行為は賢くない。 むしろ何も積極的なことはせず に、自らの政党が出す政府法案が無事通ることを良きに計らうのが安全な策である。7 年 後に違う政党が政権にある場合、 自分の政党が政権復帰するのを待つ必要がある。 いずれ にせよ、そうした上院の価値を否定して上院は廃止されたが、最近では上院を復活するか あちこちで話し合いの場が持たれている。 しかし、21 世紀に上院が復帰して、ニュージー ランドが二院制に戻る可能性は極めて小さい。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205773242112
  • NII論文ID
    130006108939
  • DOI
    10.20598/jsnzs.24.0_16
  • ISSN
    24322733
    18839304
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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