「芋粥」の二重性 : アレゴリーの挫折と近代文学的言語(<特集><近代文学>という領域-異風の声-)

書誌事項

タイトル別名
  • The Dualism of Imogayu : The Failure of Allegory and the Language of Modern Literature(<The Special Issue>The Territory of Modern Literature: The Voices of the Different)
  • 「芋粥」の二重性--アレゴリーの挫折と近代文学的言語
  • イモガユ ノ ニジュウセイ アレゴリー ノ ザセツ ト キンダイ ブンガクテキ

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抄録

従来、意味内容上の対立として処理されてきた「芋粥」の亀裂を、言語機能そのものの二重性として捉え直すとき、この亀裂が、シンボリックな機能による小説的設定と、アレゴリカルな物語的言語との不適応であることが理解される。この不適応を見定めることで、シンボルの機能に依拠する近代文学的言語が異化されると同時に、アレゴリーの根底に潜む恐るべき現実、意味の崩落した「死物」としての現実の影が浮かび上がるだろう。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 43 (11), 27-36, 1994

    日本文学協会

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