遺書とダブル・バインド : 『開化の殺人』論

書誌事項

タイトル別名
  • The Will and the Double-Bind : The study of Kaika no Satsujin
  • イショ ト ダブル バインド カイカ ノ サツジン ロン

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抄録

『開化の殺人』の話者は、生身を持たぬ人物として<声>だけをその遺書に響かせ、自身の二重拘束(ダブル・バインド)された苦悩を語るが、その拘束は他ならぬ遺書の読み手をも束縛するものである。またそのテクスト内の<語り>に内在する二重拘束は、テクスト外においても読者に、その解釈を通して束縛を波及させるものとなる。本稿では、そのようなテクスト内外で発現する多重的なダブル・バインドの構造の解明にあたる。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 43 (5), 37-47, 1994

    日本文学協会

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