柳田国男の民族観(<特集>「主題」の五〇年を再考する)

書誌事項

タイトル別名
  • Kunio Yanagida's Ethnography(<Special Issue>Reconsideration of the Current Theme "Fifty Years after the War")
  • 柳田国男の民族観
  • ヤナギタ クニオ ノ ミンゾクカン

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抄録

近代になって登場する民族は、普遍的意志に従属する郷土愛といった感情的要素によって成り立つ。従って、全体主義のような普遍的意志の暴走は民族的感情が原因と見なされ、民族は「おくれたもの」もしくは克服の対象であった。しかし、そのような民族観は見直されるべきである。例えば、柳田国男の民族観は、外縁が自覚されず全体を指向する普遍的意志をもたない言わば身体感覚に近い。そのような民族観を不均質なわれわれの一つの姿として思い描くことがあってもいい。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 44 (11), 11-21, 1995

    日本文学協会

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