浮舟の罪 : 夢浮橋巻の「愛執の罪」を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Ukifune's Sin : On "the Sin of Loving Obsession" in the Volume of Yume no Ukihashi (The Floating Bridge of Dreams)
  • ウキフネ ノ ツミ ユメノウキハシノマキ ノ アイシュウ ノ ツミ オ チュウシ

この論文をさがす

説明

横川僧都の手紙の中の「愛執の罪」は、『眠江入楚』の「箋」以来、薫の罪とされてきた。が、物語の中で薫の罪は他から指摘されることはなく、僧都の心配も浮舟にある。また浮舟自身にも、入水、物の怪の出現、中将の登場を経て、無自覚であった「愛執の罪」を自覚し地獄への恐れから救済を願う罪意識の深化が認められる。正編では避けられてきた女の「愛執の罪」は王権に集約されない続編において追究される。いわば浮舟は藤壺の形代でもあり、僧都の「愛執の罪」を浮舟の罪とすることが続編の主題を浮き彫りにする。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 40 (9), 32-43, 1991

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ