平野謙における他者と天皇制 : 敗戦前後をめぐって(<特集>近代文学における<他者>と<天皇制> II)

書誌事項

タイトル別名
  • <Alter ego> and <The Tenno system> in Ken Hirano : Before and After the End of War(<Special Edition><Alter ego> and <The Tenno system> in Modern Literature (Part II))
  • 平野謙における他者と天皇制--敗戦前後をめぐって
  • ヒラノ ケン ニ オケル タシャ ト テンノウセイ ハイセン ゼンゴ オ メグ

この論文をさがす

抄録

平野謙は、父ら家族の住む古い恩愛の世界から自分を切断、新たに獲得したかに見えた己れの「他者」像を、戦争末期、外から襲ってきた「アメリカ」という「恐怖」に満ちた巨大な「他者」の力によって、こっぱみじんにされてしまった。この衝撃的経験をへて、彼は父らの住む古い世界、それを深く包括する日本の「天皇制」的恩愛の世界に目を戻し、そこから、もっと現実的に、過去の「悔い」多き経験を内化させた戦後の新生の道へ出発する決意をする。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 39 (11), 41-54, 1990

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ