越境の時空 : 枕草子の社寺往還

書誌事項

タイトル別名
  • Beyond the Limits of Time and Space : Trips to Shrines and Temples in Makura no Soshi
  • エッキョウ ノ ジクウ マクラノソウシ ノ シャジ オウカン

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説明

枕草子は、一条朝の織りなす宮廷風な美意識を相対化する視点を持つ作品である。いわば、王権的思考、あるいはそれが形成する規範を解体してゆく場として、枕草子という作品は書かれ、それを具体的表現として示したのが、吉野に象徴化される鄙の時空であった、とみてよかろう。社寺への往還の「道」は、閉塞した宮廷生活の記録に囚われない喩的機能として、枕草子の多次元的主題を開示しているのである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 40 (11), 62-70, 1991

    日本文学協会

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