『狭衣物語』<伊勢>の表象 : その位相を問う(<特集>伊勢神宮の位相学(トポロジー))

書誌事項

タイトル別名
  • The Image of Ise in Sagoromo Monogatari : Investigating Its Typology(<Special Issue>Topology of Ise Jingu)
  • 「狭衣物語」<伊勢>の表象--その位相を問う
  • サゴロモ モノガタリ イセ ノ ヒョウショウ ソノ イソウ オ トウ

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抄録

『狭衣物語』の中に出てくる天照神は、皇位継承を託宣する神である。いかにも伊勢神宮の信仰を担っているかにみえるのだが、物語は賀茂神も狭衣を王とする信仰によりこれを相対化させ、組み換え可能なものにした。本稿は、この天照神信仰がいかに変換されたかを問うものである。史実としてある斎宮託宣事件との類似性、宇多天皇という不在の記号、引用による斎宮侵犯の異化、斎宮・斎院を同定していく機構、信仰を組み換える祭の場などの視点を提起し、平安後期の伊勢神宮を巡る動態と呼応している物語のあり様を考察した。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 42 (5), 31-40, 1993

    日本文学協会

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