枕草子の表現と定子後宮

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タイトル別名
  • The Expressions in the Makura no soshi and Teishi Kokyu
  • マクラノソウシ ノ ヒョウゲン ト テイ シ コウキュウ

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抄録

枕草子の叙述を正暦期、長徳期、長保期という時間軸に添ってみてゆくと、さまざまの表現の転移を認めることができる。正暦期の20段は古今集和歌を核とする定子の歌語りによる王権譚であるが、長徳期には漢詩と和歌という異質な言語の切り結びが<私>性を越えるものとして天皇の評価を得る。そして、和歌に限定されない様々なことばの行使が如何に新しい表現の時空と劇を作りだすか、清少納言は枕草子に書き出すのである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 39 (9), 52-61, 1990

    日本文学協会

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