兼好南朝忠臣説の形成 : 『春湊浪話』以前(<特集>近世における古典の受容と形成)

書誌事項

タイトル別名
  • The Origin of the Discourses on Kenko's Loyalty to the Southern Dynasty : Tracing back beyond Shunso-rowa(<Special Issue>The Reception of Classics and the Formation of the Canon in Early Modern Times)
  • 兼好南朝忠臣説の形成--『春湊浪話』以前
  • ケンコウ ナンチョウ チュウシンセツ ノ ケイセイ シュンソウロウワ イゼン

この論文をさがす

抄録

おもに幕末から明治・大正期にかけて行なわれた「兼好南朝忠臣説」の端緒は、土肥経平著『春湊浪話』(安永四年跋)所載の考説にある。この考説は一見突飛なもののように思われるが、つぶさに文学史を辿ってゆくと、それは江戸前期に流布していた南朝関係説話集や『園太暦』偽文で描かれる兼好伝、あるいは『太平記秘伝理尽鈔』や徒然草注釈書などで展開された諸家の兼好批評を基盤とし、かつ南朝正統論という歴史観の台頭の中で構築されたものであった事が分かる。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 52 (10), 18-28, 2003

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ