-
- 辻本 雄一
- 和歌山県立みくまの養護学校
書誌事項
- タイトル別名
-
- Son, Father, and the Two Treasons : Memory, Desire, and Communion in Haruo Sato's "Kinuta"
- サトウ ハルオ ニ オケル タンペン キヌタ ノ モンダイ クマノ オヨビ ハルオ フシ ノ オオシオ ジケン ト タイギャク ジケン ト オ ツナグ シンセイ
この論文をさがす
抄録
佐藤春夫の短編「砧」-そこで語られる「革命家」の話や、一族のものにも影響を与えた幕末の「大塩事件」の後遺症は、語られない「大逆事件」へと結びついてゆくように思われる。父豊太郎から子春夫へと語られる一族の話、家督相続の実情、そこには語られない「大逆事件」の残像を引きずっているように思われる。「大塩事件」と「大逆事件」とを重ね合わせる心性は在所下里、あるいは懸泉堂の「共同幻想」のようなもものとしても内在していたのではないだろうか。「砧」は、「大逆事件」について、一言も語られていないものの、当事件が豊太郎・春夫父子の意識下に与えた影響を、十二分に推測させる作品である。
収録刊行物
-
- 日本文学
-
日本文学 53 (9), 24-35, 2004
日本文学協会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205778677376
-
- NII論文ID
- 110009896879
-
- NII書誌ID
- AN00197092
-
- ISSN
- 24241202
- 03869903
-
- NDL書誌ID
- 7089447
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可