キリシタンの聖書 : 「徴税人」の翻訳をめぐって(<特集>中世における「聖なるもの」)

書誌事項

タイトル別名
  • The Bible for Japanese Christians : How They Translated "Publican"(<Special Issue>The "Sacred" in the Middle Ages)
  • キリシタンの聖書--「徴税人」の翻訳をめぐって
  • キリシタン ノ セイショ チョウゼイジン ノ ホンヤク オ メグッテ

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抄録

新約聖書の「徴税人」が差別された存在であったことは十六世紀の日本人には知られていなかったため、聖書翻訳にあたってキリシタンの宣教師はその訳語を工夫しなければならなかった。『バレト写本』ではラテン語訳聖書のpublicanusに基づきつつ、「プブリカノ」というポルトガル語からの借用語を用いる一方で、「悪人」「罪人」といった意訳もある。これは罪人にこそ救いがもたらされるというイエスの姿勢を示すための試みだった。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 45 (7), 57-64, 1996

    日本文学協会

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