「旅を宜しと」 : 笠金村「娘子に誂へられて作る歌」についての考察

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タイトル別名
  • "Tabi-wo-yoroshi-to" : A Note on Kasa-no-Kanamura's "Otome-ni-atsuraerarete-tsukuru-uta"
  • タビ オ ヨロシ ト カサノカナムラ オトメ ニ アツラ エ ラレテ ツクル ウタ ニ ツイテ ノ コウサツ

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抄録

『万葉集』笠金村の神亀元年紀伊国行幸時の歌(巻4・五四三〜五四五)は、都にとどまった「娘子」の立場から旅先にある夫が「旅を宜し」としていることに対する嫉妬の情を詠んでおり、設定の面でも表現の面でも特異な作品である。その表現はこの行幸の性格や一連の紀伊国行幸歌の歌われ方を踏まえて創始されたものであり、その設定は羇旅歌の伝統を踏まえつつ、従駕した男性官人たちの優越感をくすぐる装置として機能している。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 54 (9), 1-11, 2005

    日本文学協会

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